新人ナース一Q&A


Q9インシデントを防ぐための注意点や起こしてしまった場合の対処法を教えてください。


A)医療現場におけるインシデントとは、結果として患者さん容体に異変は無かったが、医療従事者のミスにより医療事故につながる可能性のあった事件を言い、現場では「ヒヤリハット」とも言われています。

一方で、ミスや事故により、患者さんの身体に悪影響を与えてしまった医療事故のことをアクシデントといいます。

看護師は医療上のミスをおかしてしまった場合、インシデントレポートという報告書を書かなければなりません。

この報告書は始末書という性質のものではなく、事故の背景や課題を皆で共有して再発防止に努めるためのものです。

現在では、医療事故は誰でも起こりうるという観点から、このレポートを元に、チーム全体としても問題点を把握、分析すると共に、体制のあり方を改善しなければならないという考え方があります。

日本医療評価機能機構の2015年の報告によれば、インシデント事例で最も多いものが、薬剤投与に関するミス(32.9%)で、次が医療上の世話に関するミス(22.3%)、3番目がドレーン・チューブに関するミス(15.4%)で全体の約70%を占めています。

では、これらのミスを防ぐにはどうすればよいのでしょうか?

まず、ミスが起こりやすい背景として、疲労の蓄積があげられます。看護師の仕事の性質上、疲労はやむを得ないということもありますが、疲労感は集中力を低下させ、大きな判断ミスににもつながります。疲労を感じたらできるだけ休息をとるようにこころがけましょう。

そして、投薬など医療に関する知識を身につけておくことも大切です。投薬に関しては、医師が間違える可能性もありますし、知識を身につけておけば、投与方法や薬剤の間違いにも気づきやすくなります。

さらに、声出しチェックをこころがけましょう。声を出すことで、自分だけでなく他者にも間違いが気づきやすくなります。また、できるだけ、ダブルチェックすなわち一人だけでなく、もう一人の人にも確認してもらうようにすることでミスを減らすことができるでしょう。

インシデントを起こしてしまったことに気づいたら、すみやかに報告することです。
看護の現場では、報告・連絡・相談を受けるリーダーがいますので、速やかに報告し、次の行動の指示を待ちましょう。

まちがってもインシデントを隠そうとしないことです。だれでもミスを報告したら、評価が下がるのではないかとか、ミスを責められるのは嫌だという気持ちはあります。

しかし、ミスを隠してもし後に発覚したら、それこそ非難されることにもなるでしょうし、後にアクシデントにつながってしまったら、取り返しのつかないことにもなりかねません。

ミスはだれにでも起こりうることです。報告書をまとめながら、何が原因で起きてしまったのか、これからどう対応していけばいいかなどよく振り返ることが大切です。

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